こちらでは電動バイクの航続距離について取り上げていきたいと思います。ヤマハE-Vinoを用いた人気バラエティー番組でも、1回の充電でどれだけ走れるのかは、見どころのひとつ。車種によって違い、その他様々な要素によっても変わってくるというのが実情です。ぜひ、知識を深めておいてください。
結論から先に言ってしまいますと電動バイクの航続距離は、個々の車種ごとに違います。その車種が搭載しているバッテリー容量やサイズ、定格出力などによって変わってきます。ちなみに、それぞれの車種の公式HPでは「航続距離」が紹介されていますが、これはあくまでも目安であり、実際には様々な要素によって変化します。
例えばライダーの体重が軽い方がより航続距離は伸びますし、上り坂が多いルートでは航続距離は短くなります。その他、電動バイクの場合には、その日の気温や湿度といった要素にも大きく影響されます。こうした点も、しっかりと踏まえておいてください。では、電動バイクの種類ごとに、航続距離について詳しく見ていきましょう。
カタログスペックとして公表されている数値を見ていきますと、まずバラエティー番組でもお馴染みのヤマハE-Vinoは29km。しかし、件の番組内では一回の充電で20km走行と紹介されており、実情はこちらの方が近い数値と見受けられます。
またアクセスが手掛けるSneak77とSweetsNはともに、定格出力0.60kWの原付1種タイプで50kmとE- Vinoを上回っています。ただし気温20℃で平坦路、無風、30km/hをキープした場合とのことで、実際の後続距離は50kmを下回ると思われます。
また、とあるバイクメディアが原付1種のスクータータイプで航続距離35~45kmと公表している車種を実際に東京都内で走らせてみたところ、31km走行できたそうです。
そのほか、スクーター型はカタログ上で60~65kmや60~70kmといった数値が紹介されていますが、実際に公道を走行させた場合は、これらの数値を下回る場合がほとんどであるということを、踏まえておく必要があります。
上記のスクーター型以上に、立ち乗り型は車種ごとに航続可能距離が異なるという傾向があります。本サイトで取り上げている車種を見てみると、NEW URBANIST 600 TRAFFICは40㎞~50㎞。COSWHEEL EV SCOOTERは約24~40km。BLAZE EV SCOOTERは35km。BUNNYは20kmといった具合です。
立ち乗り型はスクーター型に比べ、バッテリーの搭載スペースが限られており、車体のデザインなどの要素も相まって、車種ごとに搭載できるバッテリーが異なり、ひいては航続可能距離も車種ごとに異なるという傾向が生まれています。
また立ち乗り型は、近い将来、「特定小型原付」に分類される最高速度20km/h以下のものと、これまで通り原付に分類されるものに分かれますが、この要素による違いにも注意が必要です。
本サイトで取り上げている車種で見てみると、BLAZEのSMART EVは約30km。アクセスのCute-mLは30km。SMART SCOPAが扱うAK-1は25~30kmと、比較的近い数値となっています。
これらはいずれも定格出力350wという点が共通しており、デザインはそれぞれ工夫を凝らしていますが、車体の構造自体は似ているので、搭載できるバッテリーも同じようなタイプとなるので、航続可能距離も似通ってくるのではないかと推測できます。
以上の通り、電動バイクの航続距離は一概に、どのタイプが優れているとは言い切れません。実に様々な要素によって航続可能距離は左右され、実際の走行ではカタログ上の公表値を下回る場合がほとんどです。あくまでもカタログ数値は参考程度に考え、その車種の定格出力や車重、バッテリー容量なども鑑みて判断するのが賢明です。