こちらでは電動バイクの蓄電池のシェアリング化、バッテリー循環利用の実現を目指して立ち上げられた新プロジェクトについて取り上げていきたいと思います。
現在、電動バイクのバッテリーには統一化された規格はなく、メーカー、車種ごとにバラバラというのが実情です。また電動バイクをすでに利用した方であれば、1回の充電に数時間程度かかることもご存知のことでしょう。また人気バラエティー番組のように、もしも出先で充電が切れてしまったら…という不安も然り。
そうした不安やマイナス要因を解消し、電動バイクの普及率を向上させるために開始されたのが、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国内4大バイクメーカーと、エネルギー大手のENEOSによる一大計画なのです。ぜひ、ご覧ください。
ヤマハE-Vinoを使用した人気バラエティー番組をご覧になったことがあればお分かりの通り、近年の電動バイク用は、バッテリーを車体から取り外して、室内などのコンセントで充電できる方式のものが増えています。
しかし、初期の電動バイクはバッテリーの着脱ができず、車体をコンセントのそばまでもっていくか、コードなどでコンセントを車体の近くまで延長しなければならない手間がかかっていたのです。それを考えれば、バッテリーが着脱式となったことは大きな進化であり、利便性の向上と得ます。
そうした進化と利便性の向上を、さらに数段レベルアップさせようというのが、先ほどから触れている、4大バイクメーカーとENEOSによる合同プロジェクトに他なりません。その名は「Gachaco」(ガチャコ)と言います。
端的に言えば、国内4メーカーの電動バイクに用いる着脱式バッテリーを共通化し、互換性を持たせるというのが第一段階。その上で、ENEOSのサービスステーションや駅前エリアなどに、「バッテリー交換ステーション」を設置し、充電切れとなったバッテリーと充電済のバッテリーを交換できるという、画期的なバッテリーのシェアリングサービスを実現しようという取り組みです。
具体的には、ホンダが開発した「ホンダ モバイルパワーパック e:」という蓄電池を他の3メーカーも自社の電動バイクにも採用。その上で、バッテリー交換ステーション「ホンダ モバイルパワーパック エクスチェンジャー e:」をメーカーの垣根を越えて利用できるようにするという内容。2022年秋頃から、東京をはじめ大都市圏からスタートさせる予定となっています。
加えて将来的には、電動バイクに限らず、家庭用や商業施設用の蓄電地との共通仕様化を目指し、よりシェアリング利用の拡大を目指すとしています。
バッテリー交換にかかる費用がどれ位になるのか、バッテリーの劣化度合いによる損得が生まれないかといった気になる点はあるものの、実現されれば、画期的な進化と言えるでしょう。
以上の通り、「Gachaco」(ガチャコ)という取り組みは、これまで電動バイクの欠点とされてきた充電の手間や出先での充電切れリスクの問題を大きく改善させる、画期的な取り組みと言えます。それこそ、電動バイクに興味はあるものの購入を躊躇っていた方の背中を押す、大きな力となることでしょう。より具体的な情報や詳細な利用方法、利用するための費用など、続報を期待しながら待つことにしましょう。