結論から先に言いますと、答えは“YES”です。電動バイクも原則的にはヘルメット着用が義務化されています。
ただし先日法改正がなされ、今後は条件によってはヘルメットが義務から着用推奨になる予定となっています。この機会にぜひ、知識を深めておいてください。
東京都内などで、立ち乗り型の電動バイクにヘルメット非着用で乗っている人を見かけることも多いため、電動バイクはヘルメット不要と思ってしまっている方も多いことでしょう。実はこれ、低迷する日本の産業競争力強化を目的に、特定区域内における実証実験として行われているもので、あくまで例外であることを、まずは踏まえておいてください。
2022年8月現在、電動バイクは定格出力0.6kW以下のものは、スクーター型であれ立ち乗り型であれ、すべて原付扱いとなっており、原付免許とヘルメット着用が必要になります。繰り返しています通り、上記の事例はあくまで実証実験で例外なのです。
その上で注目すべきは、2022年4月20日に道路交通法改正案が可決され、「特定小型原付」という新区分が制定されることになったこと。前述しました通り、これまで電動バイクは定格出力0.6kW以下のものは、スクーター型であれ立ち乗り型であれ、原付扱いとなってきましたが、この新区分では、以下の条件に合致するものは「特定小型原付」に分類されることになるとのこと
もうひとつ注目すべきは、この「特定小型原付」は16歳以上であれば免許不要、なおかつヘルメット着用も任意(推奨されてはいます)となるというものです。上記の条件を満たす電動バイクであれば、近い将来、ヘルメット不要で乗ることができるようになるということになります。
先に述べました通り、法改正自体はすでに決定されていますが、その内容がいつから適用されるのかは、まだ決まっていません。そもそも法律というものは、可決から施行まで1年~2年程度のタイムラグがあるものです。いつから新ルール適用となるのか、今後の情報をこまめにチェックするようにしましょう。
上記の通り「特定小型原付」となるのは最高速度20km/h以下で長さ190cm×幅60cm以内ということであり、スクーター型や立ち乗り型であっても21km/h以上で走れるものはこれまで通り原付扱いとなり、ヘルメット着用も必須です。
その上で、ヘルメットが任意着用となるのは、最高速20km/h以下の立ち乗り型が大勢を占めると予測されます。改めて申し上げるまでもなく、立ち乗り型はスクーター型よりも小径のタイヤを装着しており、乗車姿勢も立った状態となるため、常に転倒リスクはあるのです。それゆえ、今回の法改正においても、ヘルメット着用は義務から任意とはなるものの、着用は強く推奨されています。この点はしっかりと踏まえておいてください。
一方で、今回の法改正により、ヘルメットの選択肢は広がります。道交法で原付以上のバイクを運転するにはJIS規格など一定の基準をクリアしているヘルメットでなければならないとされていますが、任意着用となった場合、そうした縛りはなくなります。例えば自転車用のものや通気性が良いもの、デザインに凝ったものなどを、より自由に選べるようになります。
以上の通り、2022年8月時点では、電動バイクはすべてヘルメット着用が基本。ただし、法改正により、近い将来、最高速度20km/h以下、長さ190cm×幅60cm以内の「特定小型原付」ならヘルメット着用は任意となる予定です。ただし着用は強く推奨されており、安全の観点からも、ヘルメットは着用することが望ましいと言えます。